(2)科目の構成

化学科目
1) 科目系列の概要

エネルギー問題や地球環境問題など、現代社会の課題に取り組むには化学の知識が欠かせません。また、技術のイノベーションには、新しい素材の利用も不可欠であり、素材の開発には化学の知識が必要不可欠です。化学科目の授業では、社会の諸課題を理解するために必要な化学の知識と原理を習得し、これらの問題を化学的な視点から考察できるようにします。また将来、より専門的な化学の知識が必要となったとき、独力で化学の学習が再開できるよう、化学の基礎を固めます。

工学は実学であり、実際にやってみること、すなわち実験することが重要になります。しかし、闇雲に実験をしても得るものは少なく、まず自然科学の法則について理論的に学習した上で、学んだことを実験で確認することによって、理解度と定着率を向上させることができます。化学科目の授業では、講義と実験を開講し、化学の知識と技術を学び、そして体験できるようにしています。また、実験においては安全教育は不可欠です。薬品の取り扱い方についての知識、試薬を溶媒に溶かす方法や溶かす際に用いる器具についての知識なども学びます。

2) 各コースにおける開講状況

◎必修、○選択必修、△選択、□自由

科目名 単位
コマ
授業
形態
機械工学課程 物質化学課程 電気電子工学課程 情報・通信工学課程 土木工学課程
基幹機械
コース
先進機械
コース
環境・物質
工学コース
化学・生命
工学コース
電気・ロボット
工学コース
先端電子
工学コース
情報通信
コース
情報工学
コース
都市・環境
コース
単位区分
開講期
単位区分
開講期
単位区分
開講期
単位区分
開講期
単位区分
開講期
単位区分
開講期
単位区分
開講期
単位区分
開講期
単位区分
開講期
化学の基礎と実験 2 2 講義
1前

1前
基礎化学 2 1 講義
1前

1前

1前

1前

1前
化学実験 2 2 実験
1後

1前

1前/後

1後

1前/後

1前/後

1前/後
基礎環境化学 2 1 講義
1前
基礎無機化学 2 1 講義
1後

1後

1後

1後

1後

1後

1後

1後
基礎有機化学 2 1 講義
1後

1後

1後

1後

1後

1後

1後

1後
基礎生物化学 2 1 講義
1後

1後

1後

1後

1後

1後

1後

1後
基礎固体化学 2 1 講義
1後

1後

1後

1後

1後

1後

1後

1後
開講期の【前期・後期】は、当該年度の時間割を参照してください。
3) 構成科目について

・「基礎化学」
高校から大学への橋渡しのため、さらには工学部の卒業生として社会に出て行く際に修得していることが望ましい、教養としての化学を身に付けるための科目です。

・「化学の基礎と実験」
先端機械コースと先進機械コースで履修できる科目です。本科目は、講義と実験を連動させることで、知識の定着を深めます。化学の教養としての知識を得ながら、授業テーマに関連した実験を行うことで理解を深め、かつ実験の知識と技術も修得します。

・「基礎環境化学」
都市・環境コース向け授業です。物質とエネルギーという観点から地球環境の問題にアプローチし、その中でこれらの問題の解決に不可欠な「化学」の知識と原理を学びます。さらにその仕上げとして、環境にかかわる問題についてグループで調査を行い、その成果をクラス全員の前で発表します。この授業で学ぶ化学の基礎は、地球環境の問題の解決、持続可能な世界を実現するための活動の基本原理を理解する上で重要な知見を与えます。

・「化学実験」
理系分野においては、理論と同時に実践して経験することが非常に重要です。「化学実験」では、きれいな色の変化が観察できる炎色反応、古くもあるが最先端な無機材料としてのガラスの加工実験、光と色の違いを理解する実験など、モノやコトを化学的視点からとらえて学修し、楽しみながら化学の知識と技術を修得します。また、実験は安全に配慮しながら実施する必要があるため、危険予知法などの実学に関する安全教育も行います。レポートの作成方法についても学びます。

・「基礎無機化学」「基礎有機化学」「基礎生物化学」「基礎固体化学」
皆さんの興味にしたがって、あるいは学科の専門との関連性を求めて、これら上位に位置付けられる科目を学修していくこととなります。これらの数理専門基礎科目では、化学を無機化学、有機化学、生物化学、固体化学に分けてそれぞれの分野の基礎的で専門学科に繋がる重要な分野を学んでいきます。