(2)取得できる主な資格

全コース共通
資格の
種類
摘要 取得可能
コース
危険物
取扱者
(甲種)
総務省指定コースの卒業者、または総務省指定の「化学」に関する科目を15単位以上修得した者(在学生含む)は受験資格が得られる。 (指定
コース)
環境・
物質工学
コース
化学・
生命工学
コース
火薬類
製造保安
責任者
受験資格に制限はないが、化学・生命工学コースの卒業者は試験科目の一部が免除される。 化学・
生命工学
コース
電気主任
技術者
第一種・
二種・
三種
電気主任技術者免許取得に要する単位を取得し、卒業後電気工作物の工事、維持又は運用の実務経験により免状が得られる。 電気・
ロボット
工学
コース
第二種
電気
工事士
関連する科目を取得して卒業することで、筆記試験の一部が免除される。 電気・
ロボット
工学
コース
第一級
陸上特殊
無線技士
第三級
海上特殊
無線技士
指定科目単位を取得し卒業すれば、卒業後必要なときにいつでも申請すれば免許が取得できる。 電気・
ロボット
工学
コース
情報通信
コース
測量士補 測量に関する科目を取得し卒業した者は願い出によりその資格が得られる。また、測量士補の資格を有する者は土地家屋調査士の二次試験が免除される。 都市・
環境
コース
測量士 卒業後1年以上測量に関する実務に従事した場合、願い出により資格が得られる。
電気・ロボット工学コース
資格取得の必要性

大学卒業後は、産業界に出て、幅広い知識と能力を持った人物像であることが期待される。資格は、個人の能力を客観的に示す指標と考えられる。社会に出て資格が必要となる場面は以下のいくつかがある。

  • 独占的な職位に着くために必要となるケース (資格を持つものだけにその業務が法的に認められているケース)
  • 高い技術水準を維持するために、企業内で有資格者だけに特定の業務を認めているケース
  • 企業内のスキルアップおよび啓蒙活動として、資格の取得を勧めるケース
  • 企業が公共事業への参加入札条件を満たすために必要となるケース

このように資格の取得は、業務に直接必要であるがために必要となるばかりではなく、このような能力評価においても必要性が生じている。そして、さまざまなシーンが想定される将来に対して、在学のうちから意識を持ち、資格に対する認識を高めておくべきと考えられる。資格によっては、役職や責務、給料や賞与の額に影響するのも事実である。

1. 電気主任技術者

事業用電気工作物を設置するものは事業用電気工作物の工事、維持および運用に関する保安の監督をさせるため、経済産業省令で定めるところにより、主任技術者免状の交付を受けている者のうちから主任技術者を選任しなければならない。
本資格は下記のような需要が多い。
(a) 鉄道、鉄鋼、電力、プラントなどの電気設備を有する事業所での雇用
(b) 中小工場の電気設備管理としての自社雇用、庶務的業務兼任が多い
(c) ビル管理会社からの派遣、設備全体 (空調・給排水・防災設備) の管理を総合的に担当
(d) 電気保安協会での勤務、不選任事業所の巡回点検
(e) 電気管理技術者として個人開業、(d)とほぼ同じ
また個人のスキルアップおよび会社としての技術力向上、公共事業の入札参加条件でも必要となるため、建設・設備会社を中心に求められる資格となっている。

① 電気工作物と資格の関係
下記のように保安監督ができる電圧の範囲により3種類がある。

主任技術
者免状の
種類
保安監督が出来る範囲
第一種
電気主任
技術者
全ての電気工作物の工事、維持、運用
第二種
電気主任
技術者
構内に設置する電圧170,000V未満の電気工作物の電気工作物の工事、維持および運用
第三種
電気主任
技術者
構内に設置する電圧50,000V未満の電気工作物の工事、維持および運用

② 電気主任技術者免状の取得方法
(a) 国家試験に合格して申請する〔筆記試験の一次・二次(第三種は一次試験のみ)〕。
(b) 認定校の指定する科目と単位を取得し卒業した後、実務経験を積んで申請する。
(c) 経済産業大臣から資格認定を受けて申請する。
電気・ロボット工学コースは(b)の認定コースとして認められており、上記②で免状の交付を受ける場合は、以下の科目、単位を取得し卒業すれば、下記の実務経験年数を経て申請することができる。

主任技術
者免状の
種類
電気主任技術者
免状の申請に要
する実務の内容
卒業後の
経験年数等
第一種
電気主任
技術者
電圧50,000V以上の電気工作物の工事、維持または運用 卒業前の経験年数の1/2と卒業後の経験年数との和が5年以上
第二種
電気主任
技術者
電圧10,000V以上の電気工作物の工事、維持または運用 卒業前の経験年数の1/2と卒業後の経験年数との和が3年以上
第三種
電気主任
技術者
電圧500V以上の電気工作物の工事、維持または運用 卒業前の経験年数の1/2と卒業後の経験年数との和が1年以上

③ 電気主任技術者免状の交付申請に必要な書類
実務の経験により電気主任技術者免状の交付申請をする場合に要する書類は、以下である。
1) 主任技術者免状交付申請書
2) 卒業証明書
3) 修得学科目証明書(電験用単位取得証明書)
4) 実務経歴証明書
5) 戸籍抄本
6) 免状送付用宛先用紙

④ 電気主任技術者(第一種~第三種)免状交付申請書の書類提出先
関東圏 : 経済産業省関東東北産業保安監督部 資源エネルギー部 施設課 技術係
〒330-9715 さいたま市中央区新都心1-1 さいたま新都心合同庁舎1号館11階
各地 : その所轄の経済産業局

⑤ 試験に関する問い合せ先
(財) 電気技術者試験センター (http://www.shiken.or.jp/)
〒104-8584 東京都中央区八丁堀2-9-1
秀和東八重洲ビル8階、
TEL 03-3552-7691、FAX 03-3552-7847

電気主任技術者 資格取得必要科目一覧

1. 電気工学又は電子工学等の基礎に関するもの (単位数 17)

経済産業省
による科目
別必要取得
単位数
は必ず履修する科目、○は選択科目)
電気・ロボット工学コースの科目
必修、○選択必修、△選択)
授業内容 授業科目名 単位数
電磁気学 電気磁気学1A 2
電気磁気学1B 2
電気磁気学2A ○2
電気磁気学2B ○2
電気磁気学3A ○2
電気磁気学3B ○2
電気回路 電気回路1A 2
電気回路1B 2
電気回路2A ○2
電気回路2B ○2
電気回路3A ○2
電気回路3B ○2
電気計測又は電子計測 電気計測 ○2
○電子回路 アナログ電子回路 ○2
ディジタル回路 ○2
○電子デバイス工学 電子デバイス △2
○システム基礎論 <該当科目なし>
○電気電子物性 電子物性 △2

2. 発電、変電、送電、配電及び電気材料並びに電気法規に関するもの (単位数 8)

経済産業省
による科目
別必要取得
単位数
は必ず履修する科目、○は選択科目)
電気・ロボット工学コースの科目
必修、○選択必修、△選択)
授業内容 授業科目名 単位数
発電工学又は発電用原動機に関するもの 発変電工学 △2
変電工学
送配電工学 電力系統工学 △2
電気法規 電気法規 △2
電気施設管理
○高電圧工学 高電圧工学 △2
○エネルギー変換工学 <該当科目なし>
○電力システム工学 <該当科目なし>
○放電工学 <該当科目なし>
○電気材料 (絶縁材料を含むこと。) 電気材料 △2
○技術者倫理 技術者の倫理 2

3. 電気及び電子機器、自動制御、電気エネルギーの利用並びに情報伝送及び処理に関するもの (単位数 10)

経済産業省
による科目
別必要取得
単位数
は必ず履修する科目、○は選択科目)
電気・ロボット工学コースの科目
必修、○選択必修、△選択)
授業内容 授業科目名 単位数
電気機器学 電気機器学 △2
パワーエレクトロニクス パワーエレクトロニクス
Power-Electronics
△2
自動制御又は制御工学 制御工学 ○2
○電気応用 電気応用 △2
○メカトロニクス Mechatronics △2
ロボティクス △2
〇電気光変換 <該当科目なし>
○情報伝送及び処理 C言語入門 3
データサイエンス 3
○電子計算機 マイクロコンピュータ △2
○省エネルギー <該当科目なし>

4. 電気工学若しくは電子工学実験又は電気工学若しくは電子工学実習に関するもの (単位数 6)

経済産業省
による科目
別必要取得
単位数
は必ず履修する科目、○は選択科目)
電気・ロボット工学コースの科目
必修、○選択必修、△選択)
授業内容 授業科目名 単位数
電気計測又は電子計測 基礎実験1 1
電気基礎実験 基礎実験2 3
電気応用実験 応用実験1 2
応用実験2 2

5. 電気及び電子機器設計又は電気及び電子機器製図に関するもの (単位数 2)

経済産業省
による科目
別必要取得
単位数
は必ず履修する科目、○は選択科目)
電気・ロボット工学コースの科目
必修、○選択必修、△選択)
授業内容 授業科目名 単位数
○電気機器設計 電気機器設計製図 △2
○電気製図
○自動設計製図 (CAD) <該当科目なし>
○電子回路設計 電力情報システム設計 △2

総合計 (単位数 49)

電気・ロボット工学コースの科目
単位数
78
※1 上記の「1. 電気工学又は電子工学等の基礎に関するもの」については、「電気磁気学」「電気回路」「電気計測又は電子計測」の3項目は必修となる。それぞれの右欄に該当する科目の中から、1科目以上履修する必要がある。そして、「○電子回路」、「○電子デバイス工学」、「○電気電子物性」に該当する科目を含め、合計17単位以上であれば、この項目の条件を満たしていることになる。
※2 上記には事実上、選択の余地がなく必修となる科目があることに注意すること。特に「発変電工学」「電力系統工学」「電気法規」「パワーエレクトロニクス」「電気計測」「電気機器基礎論」「制御工学」の7科目は電気・ロボット工学コースとしては選択必修科目または選択科目であるが、本資格取得においては履修不可欠な科目である。
2. 電気工事士

電気工作物の設置または変更の工事をする場合、電気工事士法の定めるところにより電気工事士の資格を有する者でなければ電気工事ができない。これは電気工事の欠陥による、漏電、感電等の災害を防止することを目的としている。

① 電気工事士の種類と工事のできる範囲
第二種電気工事士:
一般用電気工作物の設置または変更する工事。
第一種電気工事士:
自家用電気工作物であって最大電力500kW未満の需要設備の設置または変更する工事。(第二種電気工事士の範囲を含む)
② 電気工事士資格の取得
二種電気工事士:
試験(筆記および技能)に合格し免状の交付を申請する。筆記試験は大学において関連する授業(電気理論、電気計測、電気機器、電気材料、送配電、製図(配線図を含むものに限る。)および電気法規の電気工学に関する所定の課程)を取得し卒業したものは免除される。
第一種電気工事士:
(a) 試験(筆記および技能)に合格して大学の電気・ロボット工学コースにおいて上記の科目を取得したものにあっては実務経験3年以上を積み免状の交付を申請する。
(b) 第一種、第二種、または第三種電気主任技術者の資格を有する者は5年以上の工事、維持、運用の実務を積み免状の交付を申請する。
3. 第一級陸上特殊無線技士
4. 第三級海上特殊無線技士

第一級は多重無線設備を使用した、比較的大きな規模の固定局などの無線設備の操作を想定している。第二級は陸上移動系の無線局、VSAT(衛星通信超小型地球局 ハブ局)などの無線設備の操作、および陸上の無線局のレーダーの操作を想定している。第三級はタクシー無線の基地局などの無線設備の操作の操作を想定している。
電気・ロボット工学コースは認定校になっており、指定科目単位を取得して卒業すれば、必要なときにいつでも申請して次の無線従事者の免許を取得することができる。

資格名 履修科目
第一級
陸上特殊
無線技士
電気磁気学3B、電波工学、電波法規、アナログ電子回路、電気計測
第三級
海上特殊
無線技士
電気磁気学3B、電波工学、電波法規
情報通信コース

無線従事者とは、電波を発射させる送信機などの無線設備を操作するのに必要な知識、技能を身に付けた者で、国家試験に合格し、免許証の申請書類審査を通過し、免許が交付されたものである。

  • 無線設備の操作には、電波を利用して実際に通信を行う「通信操作」と通信操作が完全に行えるように無線設備の起動や試験又は調整する作業の「技術操作」がある。
  • 無線従事者の資格には以下の区分がある。
1. 無線従事者

(1) 資格区分

無線従事者の資格区分図

(2) 国家試験

  • 無線従事者国家試験は無線設備の操作に必要な知識について行なわれ、一定の資格者、業務経歴者及び認定学校の卒業者に対して試験科目の全部または一部が免除される。
  • 本学情報通信コースは、この認定学校になっている。
2. 第一級陸上特殊無線技士
3. 第三級海上特殊無線技士

本学の各コースにおいて以下に指定する科目の単位を取得して卒業すれば、申請により、試験科目の全部が免除され、第一級陸上特殊無線技士および第三級海上特殊無線技士の免許を取得することができる。

資格名 履修科目
第一級
陸上特殊
無線技士
無線機器、電波工学1、電波工学2、情報通信応用実験A、情報通信応用実験B、通信計測、電波法規
第三級
海上特殊
無線技士
無線機器、電波工学1、電波工学2、情報通信応用実験A、情報通信応用実験B、電波法規