1分野横断的な学びの進め方

教育体系の特徴の章でも触れたとおり、課程制カリキュラムの大きな特徴は分野横断です。本章では、まず導入科目について触れたのち、分野横断を実現する仕組みである「分野別科目群」や「副コース認定制度」等について説明します。また、これらの制度を活用した履修例なども紹介します。

(1)導入科目

分野横断のための導入科目を1年前期と2年後期に設置しています。

「社会の中の工学」(1年・前期・必修科目)
各コースの学問分野を俯瞰的に学ぶとともに、他分野との関わりや社会で果たしている役割を学びます。本科目の履修を通じて、分野横断の可能性を模索してみてください。

「工学研究探訪1」(2年・後期・必修科目)、「工学研究探訪2」(2年・後期・選択科目)
工学部の各研究室の研究内容や社会との関わりについて学びます。3年次以降、履修できる科目の選択肢が増えた際には、本科目で学んだ内容を科目選択の参考としてください。

※詳しくは各科目のシラバスを参照してください。

(2)分野別科目群とは

分野別科目群とは、各コースが提供する様々な専門科目を特定のテーマに沿ってグルーピングしたものです。通常、各コースの専門科目はそのコースの学生しか履修できませんが、分野別科目群の構成科目であれば、他コースの学生でも履修可能です。
この仕組みを活用して、分野横断の学びに積極的にチャレンジしてください。

課程 コース 分野別科目群
機械工学課程 基幹機械コース A-1
エネルギー・モビリティ
A-2
メカニクス・
モーションコントロール
先進機械コース B-1
メカニカルサイエンス
B-2
バイオロボティクス
物質化学課程 環境・物質工学
コース
C-1
スマート・ナノマテリアル
C-2
エネルギー・エコマテリアル
化学・生命工学
コース
D-1
分子テクノロジー
D-2
化学エンジニアリング
電気電子工学課程 電気・ロボット
工学コース
E-1
電力・エネルギー
E-2
システム制御・ロボット
先端電子工学
コース
G-1
ナノエレクトロニクス・
フォトニクス
G-2 情報・
バイオエレクトロニクス
情報・通信工学課程 情報通信コース F-1
情報ネットワーク工学
F-2
情報通信システム工学
情報工学コース L-1
情報知能ソフトウェア
L-2
情報知能システム
土木工学課程 都市・環境コース H-1
都市・交通・空間情報
H-2
環境・防災・レジリエンス
H-3
設計・材料・維持管理
各分野別科目群の詳細や構成科目については、「2 分野別科目群 カリキュラムツリーおよび詳細解説」「3 分野別科目群 構成科目一覧」もご覧ください。

(3)副コース認定制度

分野別科目群を活用して他コース科目を履修していくにあたって、特定の分野において集中的な学びを達成したと認められる学生には卒業時に副コース修了認定証を授与します。認定条件は以下のとおりです。

【認定条件】

同一の分野別科目群から10単位以上取得し、当該の分野別科目群の担当教員の研究室において学内研究留学(2単位)を行い、合計12単位を取得する。

学内研究留学とは?
学内研究留学では、他コースの研究室にて一定の研究活動を実施します。他コースの研究室の知見や方法論を学ぶことで、視野を広げることができます。
学内研究留学は、在学中に2回まで実施でき、順番に「学内研究留学1」「学内研究留学2」で単位認定されます。なお、学内研究留学は自コースの所属研究室における研究活動と並行して実施するため、学内研究留学中に自コースでの研究活動がストップすることはありません。
各分野別科目群の単位取得進捗状況はSITポートフォリオにて確認することができます。
副コース認定を受けるにあたり事前請等の手続きは不要です。卒業前に条件を満たしている場合に自動的に認定されます。

(4)様々な履修例

分野別科目群をどのように活用するかはみなさん次第です。いろいろな科目群から広く履修することもできますし、特定の科目群から集中して履修することもできます。また、自コースの専門性を極めたい場合は、他コース科目を履修せず自コース科目のみで卒業に必要な単位数を取得することも可能です。以下には例として3つの履修例を示します。

教育体系の特徴

(5)分野別科目群 履修上の注意

  • 工学部の新カリキュラムは大変柔軟で多様な学びを可能にしていますが、「自分が所属するコースの専門分野が学びの中心となる」ことを忘れないでください。中心となる専門性がなければ、学びの柱を築くことはできません。「自コースの専門性を基礎に、他コースの科目を履修し、専門性を広げて問題解決力を高める」というのが課程制カリキュラムの基本となります。
  • 分野別科目群の構成科目は、コース間のカリキュラムの重複度などを考慮し、各コースへの開放設定が個別に定められています。科目によっては、特定のコースには開放されていない科目もあります。
    ※「2 分野別科目群 カリキュラムツリーおよび詳細解説」「3 分野別科目群 構成科目一覧」では、所属コースを選ぶことで、開放されている科目のみを表示させることができます。
    ※ 自コースに開放されている科目の単位合計が10単位未満の分野科目群は、副コースの認定条件をみたすことができないため、副コース認定の対象外となります。
  • 分野別科目群の構成科目の中には、二つ以上の分野別科目群に紐づいている科目があります。そのような科目の単位を取得すると、副コースを成立させるための単位としてはそれぞれの分野別科目群においてカウントされますが、卒業要件に含まれる単位としては単一カウントとなります。
  • 分野別科目群の構成科目の中には、内容がある程度類似している科目の組み合わせが存在しています(類似科目)。類似科目のうち、いずれかの科目を取得すると他の科目は取得できなくなります。副コース認定を目指している場合は、認定を目指す分野別科目群の科目を優先して履修してください。
    ※ なお、類似科目の組み合わせはこちらで確認することができます。
    工学部における類似科目一覧
  • 分野別科目群の構成科目に履修希望者が殺到した場合には抽選となりますのでご了承ください。

(6)よくある質問

履修したい分野別科目群科目が自コースに対しては開放されていませんでした。どうすればよいでしょうか?

自コースに開放されていない分野別科目群科目は履修することはできません。ただし、自コースに開放されていないということは、その科目に類似した科目が自コースにあることを意味します。工学部における類似科目一覧を使って、自コースの類似科目を探して履修することで、当該の他コース科目で学ぶ内容に近い内容を自コース科目によって学ぶことができます。

他のコースの科目に興味がある科目を見つけたのですが、分野別科目群の構成科目ではありませんでした。その科目を履修することはできますか?

残念ながら当該科目を履修することはできません。他コース科目の履修は、分野別科目群の構成科目の範囲でのみ可能です。

履修したい分野別科目群科目が、時間割において自コースの必修科目と重なっていて履修できないのですが、どうしたらよいですか?

自コース科目の履修を優先してください。分野別科目群科目については、翌年度など別の機会に履修を試みてください。